366本当にあった怖い名無し [sage] :2007/04/25(水) 21:05:10 ID:ogim3D/b0
昔神社裏で人間を飼っていた記憶がある。
って言っても勝手に飼ってるつもりになってただけで
実際はホームレスの人に給食のパンとか家から持ってきたお菓子とか渡しに行ってただけなんだが。
飼うとか失礼な話だし嫌なガキだったと思う。「名無し」って名前までつけてた。呼んだことはなかったけど。
ちなみに名無しっていう言葉は地域の子ども会で無理やり連れて行かれた劇で初めて知って、
そう呼ばれてた役が野生的な感じの人物で、響きが神秘的っぽい感じがしたんでそう命名した。
で、その頃転校したばっかで友達できなくて孤立してた俺は名無しを見つけてから毎日神社に通ってた。
うざかったろうけど追い払うつもりはなかったみたいでたまにだけど漫画やら雑誌やら読ませてくれた。
一度仔猫の死体見つけたとき持って行ったら黙って一緒に埋めてくれた。

ある日いつも通りパンを置きに行ったら、
名無しがゴボゴボ言いながら口から墨みたいなものを吐いていた。
そんなことになってるのに名無しは口をバカッと開けたまんま微動だにせずに上見て座ってた。
ビックリして、声もかけられなくてそのまま見てたら目とか耳からもトロトロ流れ出した。
なぜかそれが強烈に自分のせいに思えて、怖くなって一目散に逃げ出した。

それからしばらくして友達もできて、名無しのことは忘れるようにしてた。
でも中学に入ってから気になって、神社に行ったら名無しがテントを張ってた場所は沼だった。
周りの柵も年季が入ってる感じで、石を投げ込んだら凄い臭いがした。

友達いない子供が想像上の友達作って遊ぶとかよく聞くけど、名無しもそんなものだったのかな?
でも想像の友達にホームレスを選んだり、最後にあんな状態になったりとか
本当にそういうお友達だったとして当時の俺は精神不安定だったんだろうか。
パンとかお菓子とか名無しに食わせてるつもりでどうしてたんだろう。猫の死体も。
ただひとつ名無しを想像上の友達だったと決め付けられないのは、読ませてもらった漫画の内容を覚えてるからだが。


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