129 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ [sage]:03/04/27 05:26
祖父が小さかった頃、3キロくらい離れた親戚の家の祭りに独りで行った。
祖父の両親は農作業で忙しく祭りには行けなかった。夕暮れ時になったら
祖父はご馳走を貰って家に帰り、祭りのご馳走を家で皆で食べることになっていた。

家で祖父と祭りのご馳走を待っていた家族はいつまでたっても祖父が
帰ってこないので心配になって迎えに行った。
祖父の家から親戚の家までの間の道は家が殆ど無い寂しい道だった。
(当時は電話などなかったので、簡単に連絡が取れず、直接迎えに行くしかなかった)
親戚に着くと、とっくに祖父は家を出たと言う。
祭りに来ていた人たちは祖父が帰らない事を聞いて、
「あー。化かされてるねー。田んぼの真ん中辺りにいるよー」と笑って言ったそうだ。

実際に祖父は田んぼの中の小道で見つかった。遠くに自分の家がある集落の灯り
が見えるのに歩いても歩いても近くならず、近道をしようとして田んぼの中の
道に入ったのにどうしても灯りが近くならなかったとか。

狐か狸にバカにされたらしいと判った祖父は怒った。
そして自分の家の祭りのご馳走を今度はその親戚の家に届けることにした。
こんどは化かされないぞと出かけた。
祖父はちゃんと親戚の家に着いて、親戚の家に重箱を渡した。親戚の人が重箱を
返すために中のご馳走を別のお皿に移そうとして重箱の蓋を開けたら、
綺麗に端の部分が空だったそうだ。どうやら油揚げを綺麗に抜かれたらしかった。

その親戚が住んでいた場所は妖怪もでて、その土地に嫁入りしたお嫁さんは
嫁入りした日に、これからは夜道で名前を呼ばれても絶対振り返ってはいけないと
家族からきつく教えられたのだとか。
それを家族が言い忘れてしまって教えてもらえなかった某若いお嫁さんが
呼び止められて振り返ってしまって何やら恐ろしいものをみて道で倒れているのを
見つかったらしいのだけど、結局そのお嫁さんは怯えたまま実家に逃げ帰ったのだとか。


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