271名無しさん@そうだドライブへ行こう [sage] :02/04/14 22:21 ID:Yb1bNTcp
この話は、あんまり怖くはないのですが…

数年前の話になります。長野か山梨県の山の中での出来事です。
友達と遊びに出かけた帰り道だったのですが、お金もあんまりないので、高速は使いませんでした。
正確な場所は覚えていません。山道と牧場の繰り返しような景色だったことは覚えています。
日はとっくに暮れていました。

「こっち行ったほうが近道かも」どっちが言い出したのか、細い道へと入っていってしまいました。
俺も友達もけっこう行き当たりばったりな性格なので、かまわず進んでいったのですが、
道は悪くなるばかりです。舗装が悪いなぁと思っているうちに、いつの間にか未舗装路でした。
周辺には民家もありません。あろうことか、霧が立ち込めてくる始末です。

しばらく進んでいくと、白いセダンが道を塞いでいました。
霧の中、ヘッドライトで照らし出された車は、かなり古い車でした。車種は何だったのか思い出せません。
古い割にはやけに綺麗な車だった印象があります。
「誰だこんな所に車を停めてるバカは?」
しかし、よく見ると車内には、男性が居ます。中年の男性が車内に居るようでした。
車内灯はついていませんでしたが、本か何かを読んでるように見えました。
確かに不自然な状況でしたが、その時は大して気にもとめませんでした。

何か気味が悪かったのと、これ以上進んでも帰る時間が遅くなるだけのような気もしていたので、
来た道を引き返すことにしました。

狭い道で何とか切り返し、バックミラーの白いセダンはあっという間に霧の中に消えました。
かなりの距離を引き返すことになりましたが、一本道だったので、迷うこともなく戻ることができ、
やっとあと少しで元の道へ戻れる、という時…


さっきの白いセダンが、自分達の車の前から大通りへ出て行くところでした。
一本道を通ってきたので、抜かれたはずがないのです。
あの車がこの世の物だったのか、今でも自信が持てません。


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