752本当にあった怖い名無し :2005/12/09(金) 18:32:32 ID:ygQAsFVB0
俺が中学1年生の頃(現在31歳)、たまたま風邪ひいてしまって家で寝てた。
んで俺の実家って田んぼの真ん中に立っているような家でさ、窓開けても見えるのは一面の田んぼなのよ。
時期的には丁度稲刈りをするような時期で、家の爺さん婆さんも田んぼに出かけて俺一人だったんだけど、
ちょっと熱が下がったんで、気持ちいい風にあたりたいな?と思って窓を開けたのね、時間的には13時くらいかな。

そして見えるのは稲が一面生い茂った田んぼだけなんだけど、ちょっとそこで不思議なもんが見えたんだ。
それは何かはわからないけど、人ってのだけはわかった。ただ、目をこらしてもよくわからないんだよ。
で、俺は「もしかして友達が見舞いに来てくれたのかな?」と思って手を挙げたのね。そしたら不思議な事に、
俺と全く同じタイミングでそれも手を挙げるんだよ。俺の動きを見た後に合わせて挙げたとかそんな次元の
タイミングじゃない、本当に全く同じ。俺も「えっ!?」って思って、手を下げるとそいつも同じタイミングで手を下げる。
反対側の手を挙げるとやっぱり同じタイミングで挙げる。両手を挙げても同じタイミングで挙げる。
あまりに同じ行動をとるもんで気味悪くなったんだけど、だんだん好奇心のほうが勝ってきてね、ただ、それを
よく見ようとしてもやっぱり見えないもんだから、パジャマのまま外へ出たんだ。確かめる為にね。

で、庭を突っ切ってそれが見えた田んぼへ出ようとしたとき、昼飯食べに休憩しようと家へ帰ってきた婆ちゃんと
丁度でくわして、「風邪ひいてんのに、何処いくんだい」って聞いてきたもんだから、その内容を教えたんだよ、
そしたら婆ちゃん、いきなり驚いた顔しちゃってさ・・・有無を言わさず俺を家に連れ戻したんだよ。


あ、ちょっと長くなったから一旦ここで切るね。

753本当にあった怖い名無し :2005/12/09(金) 19:01:45 ID:ygQAsFVB0
ここで田舎に住んでるやつならわかると思うけど、何処の家にも「仏間」ってあるよね。で、婆ちゃんは
俺をそこへ閉じ込めて慌てて再び外へ行ったんだ。ただ、俺んちの仏間って丁度俺の部屋の隣で、
障子開けて窓開くと同じ方向で景色が見えるんだよ。んで、俺は気になってるもんだから再び窓開けて
田んぼのほうを見たのね。そうするとやっぱりそれが見えるんだ。ただ、自分の部屋で見たときと
ちょっと違うのは、姿が出たり消えたりすることだった。ほんの少し瞬きしただけで、姿が見えたり消えたり
していた。それに、今度は手を挙げてもそれは黙っているだけで、ただボケーっと突っ立っているだけに
なってるんだよね。
んで、俺もそれをボケーっと見てたら婆ちゃんが爺ちゃん連れて慌ててやってきた。
そこで俺が窓際で外見てるのを爺ちゃんが見たら、俺を怒鳴って突き飛ばしたんだよ。ちなみにそのとき
頭を柱にぶつけて、たんこぶ出来たんだけどね(笑)

ただ、不思議と俺はそのとき頭をぶつけても痛いとかあまり思わないで、なんつーのか他人事のように
感じてたんだよ。確かに多少熱があったから体がだるかったのもあるんだけど、それを差し引いても
ぼんやりした、何か上手く言えないけど比較的意識がはっきりしている夢遊病(?)のような感覚で、
爺ちゃんと婆ちゃんを見てたんだけど、えらい勢いで爺ちゃんが婆ちゃんを怒っててさ、婆ちゃんなんか
畳に頭こすりつけるように土下座しているような感じで泣いて謝ってたんだよね。そのまま爺ちゃんは
エスカレートして、丸まった婆ちゃんの背中やら頭やら叩いてたし。

そのまま俺は何故か眠ったかどうかして意識無くして、気が付いたときはそのまま仏間で布団の中だった。
ただ、起き上がるのはともかく部屋から出る事は許してもらえなくて、そのまま3日間学校も休まされたよ。
窓も開けることも絶対許されなくて、その3日間は朝に地元の坊さんが来て、俺に30分間のお経を
あげて帰ってた。あと、仏間の入り口と窓に札も張って、それも3日間毎日取り替えてた。

うーん、まだ続きがあるけど終わらないな・・・またここで一旦切ります。

754本当にあった怖い名無し [sage] :2005/12/09(金) 19:17:22 ID:ygQAsFVB0
んで、3日後に晴れて俺も外へ出る事が許されたんだけど、必ず札とお守りを持たされて・・・
というか、家族の誰かに声かけなきゃ外へ出る事許してもらえなくて、必ず持ってるかチェックされたんだよね。
それとそれから一年間、週2回は坊さんのところへ行って30分のお経。といっても俺と同級生の友達の家なんで、
別に行くのは嫌じゃなかったんだけどね。よく遊んでたし。

それ以降その変なもんは一切見なくなったんだけど、爺ちゃんに数年後聞いてみたところ、
「あれは土地の守り神だけんど、人は見ちゃなんねぇもんだ」と言われた。でも、それだけじゃよくわからないから
もう少し突っ込んで聞いてみたところ、確か「土地を守るには、生き物の魂というかエネルギーが必要で、
それが足りなくなった頃にたまに現れる」みたいなこと言ってたような記憶がある・・・けどはっきりしたことは
もう覚えてないです。何せ20年くらい前の出来事だし。

一応思い出した限りこんな感じだったけど、もしもっと聞きたい人がいるならまた後で書きますね。
これからちょっと出かけますんで。

757本当にあった怖い名無し [sage] :2005/12/09(金) 20:13:06 ID:L786aVjpO
かなりくねくねだな。
くねくねってもしかして守り神なのかな。
見ちゃいけないのも同じだし。

763本当になかった怖い名無し :2005/12/10(土) 07:45:50 ID:1joc8dRP0
>>752>>754
GJ
そんなに昔の話ではないにしろ、牡丹灯籠ばりの結界が必要とはね
爺ちゃん婆ちゃんに感謝汁

765752 :2005/12/10(土) 10:06:29 ID:T0TxFkMh0
昨日の夜中にこのスレ覗いてら続き聞きたい人もいたみたいなんで書こうと思ってたんだけど、
なんせ俺には当時の記憶がもはや曖昧だったもんで、今朝実家に電話かけて母親に聞いてみたよ。
多分親父のほうが詳しいだろうけど、親父は仕事なもんでいなかった。
まぁ、母親も地元の人間だからそれなりに詳しいし、当時の話も聞けたんでこれから書くね。
爺ちゃん婆ちゃんはもう死んでしまったから聞けないし。

あ、それと「くねくね」ってのを>>761で読んだらかなり内容は似ているかもしれないな。
ただ決定的に違うのは、くねくねした動きは全然してなかったってことだね。俺が見たのは
その場で黙って突っ立ってた。俺の動きは真似るんだけど、その場からは全く動かなかったね。
あえて言うなら上にも書いた通り、仏間に俺が移動してから出たり消えたりするだけ。
でもちょっと驚いたのが、この話って全国区だったんだなぁ・・・てっきり俺の住んでいる地方だけの
話だと今まで思ってたよ。この話、爺ちゃんからも「絶対他の人に話しちゃなんねぇぞ」って
しつこいくらい念を押されてたから、地元の人にも聞くに聞けなかったしね。今はどうかわからんけどさ。

あー、スレの返事しただけで長くなってしまったんで、次から内容を書くよ。

766本当にあった怖い名無し :2005/12/10(土) 11:11:20 ID:T0TxFkMh0
そういや書き忘れてたんだけど、俺が見たのは「守り神さま」か「守(もり)さま」って呼ぶのが通称らしい。

当時の話を聞くと、母親は爺ちゃん婆ちゃんから「○○○は、えれぇもん見てしまった。もしかしたら
目ぇ覚ますことがなくなるかもしれん・・・ ただ、見た限りじゃ多分大丈夫だとは思うけっど・・・」と険しい
顔して言うから、そのときは腰を抜かしそうになったと言ってた。そりゃそうだよな、自分の息子がいきなり
「目を覚まさないかもしれない」なんて言われちゃそりゃあ腰を抜かすよ。で、今話し聞いて俺も初めて
知ったことだけど、俺は丸2日間ずっと寝ていたらしかった。俺にはこっちの話のほうが驚いたよ。
仏間で寝てたのなんて数時間くらいのことだと今ままで思ってたから。

んで、母親が言うにはこの「守り神さま」ってのは、「バランスが崩れると、それを直す為に現れる」らしい。
環境に優しい神様みたいだ。実はこの神さまが現れることは悪いことじゃなく、むしろその土地の人々には
喜ばれることだったと言ってたよ。特に不作が続くような状況のときは、この守り神さまが現れることで
次の年の豊作を約束してくれるようなものだったらしいから。
ただまぁ、実際見ちゃっ本人や家族にとっては全然嬉しくないわな。爺ちゃんが「誰にも喋っちゃなんねぇ」
って言ってたのは多分、昔も見ちゃった人の家族が必死に隠してたんだと思うし。

守り神さまに連れて行かれた人は、そのまま目が覚めることなくこんこんと眠り続けるって母親は言ってたよ。
そしていつしかひょっこりいなくなるらしい。何処へ行くのかは誰もわからないそうだ。

これからちょっと出かけるんで、まだ聞きたい人がいるならまた後で書くよ。


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